新しいことを始めるとき、ワクワクする。
ものすごく、ワクワクする。
なのに、始めた途端、もう疲れてる。
「やる気はあった。体がついてこなかった」ってやつ。
何度これをくり返したか、数えきれない。笑
楽しいはずのことで、なぜか消耗する。
人と話すのは好きなのに、帰ったら動けない。
「自分はおかしいのかな」ってずっと思ってた。
でも、おかしくなかった。
ただ、アクセルとブレーキを同時に踏んでる状態だっただけ。
HSS型HSPという言葉を知ったとき、初めてそれが腑に落ちた。
HSS型HSPがしんどい理由とは
しんどいのには、ちゃんと理由がある。
意志が弱いからでも、甘えでもない。
仕組みを知ると、少し楽になる。
アクセルとブレーキって何?

HSS型HSPって、一言でいうと「矛盾した気質」だ。
HSS(High Sensation Seeking)は、刺激を求める性質。
新しいこと、面白いこと、変化。そこに向かってアクセルを踏む。
HSP(Highly Sensitive Person)は、刺激に敏感な性質。
音、光、人の表情、場の空気。全部が深く入ってきて、ブレーキがかかる。
この両方が、同時に自分の中にある。
アクセルを踏んで飛び込む。でもブレーキが効いて消耗する。
外から見ると「活発で社交的」に見える。
中身は「疲れ果ててる」。
このギャップが、HSS型HSPの一番しんどいところだと思う。
ちなみに、HSPは人口の約15〜20%、そのうち約30%がHSS型とされる。
全体の約6%(推計:20%×30%)という少数派だ。
だから「こんな感覚、わかる人がいない」と感じるのも、当然なんだよね。
刺激を求めると疲れる?

好奇心が強い。だから次々と「やりたいこと」が浮かぶ。
新しい趣味、新しい仕事、新しい出会い。
始める前のワクワクは本物だ。
でも始まった途端、情報が一気に流れ込んでくる。
場の空気、相手の反応、自分のパフォーマンス。
ぜんぶ、細かく処理しながら動いてる。
楽しいのに、気づいたら燃料が切れてる。
「計画・実行・事後疲労」の三段階が毎回くる。笑
計画してるときが一番楽しくて、実行してる途中から疲れ始めて、終わったらどっと来る。
これを「やる気がない」「飽き性だ」と自分を責めてきた人、多いんじゃないかな。
違う。
ただ、処理のエネルギーを大量に使ってるだけ。
社交の後にどっとくるのはなぜ?

人と話すの、好きだ。
面白い人に会うと、テンションが上がる。
でも帰り道、もう限界だったりする。
なんで?って思ってたけど、わかった。
人と話してる間、ものすごい量の情報を処理してるんだ。
声のトーン。表情の変化。
「さっき少し黙ったのは何だったんだろう」
「この人、本当は何を思ってるんだろう」
それを全部、無意識に拾い続けてる。
楽しい会話の裏で、脳がフル回転してる。
だから、終わったあとにどっと疲れる。
翌日も使い物にならないこと、ある。笑
これはHSP気質の「深い処理」が原因で、意志でオフにはできない。
弱さじゃなくて、仕組みの話だ。
共感疲労って何が起きてる?

友達が落ち込んでる話を聞いたあと、自分まで落ち込む。
ニュースを見て、関係ない自分がなぜか消耗する。
相手の感情をもらいすぎる感じ。
これが共感疲労だ。
HSP気質の人は、他人の感情を察する能力が高い。
それは強みになることもある。
でも人間関係においては「もらいすぎる」につながりやすい。
頭の中でこんなことが起きてる。
・何かしてあげなきゃ
・うまく返せなかったかも
・あの言い方、傷つけたかな
帰ってから、全部リプレイしてる。
そりゃ疲れる。
誰かの力になりたい気持ちは本物なのに、自分がボロボロになっていく。
これが「良い人疲れ」の正体だと思う。
ADHDと違うの?

「HSS型HSPってADHDと似てない?」
そう思ったこと、あるかもしれない。
確かに表面は似てる部分がある。
飽きっぽい。新しいことに飛びつく。衝動的に見える。
でも、仕組みが違う。
ADHDは脳の発達特性で、注意の調整や衝動の抑制が難しい状態。
HSS型HSPは「興味のあることには没頭できる」し、衝動的というより「感受性が強いから動く」感じだ。
あと、大きな違いが一つある。
HSS型HSPは相手の微妙な感情を敏感に察する。
ADHDでは、他人の感情への気づきが難しい場合が多い。
もちろん、両方の特性が重なるケースもある。
自己判断で決めるのは難しいから、もし気になるなら専門家に相談するのが確実だ。
「HSS型HSPかも」で止まらず、広い視野で自分を見ていくといい。
自分を責めてしまうのはなぜ?

「なんでこんなに疲れるんだろう」
「みんなは平気そうなのに」
「自分、弱すぎる」
こういう自己否定、ずっとしてきた。
でも、これはHSS型HSPの特性から来る「構造的な問題」であって、性格の弱さじゃない。
周りからは活発に見えるから、「それだけ動けるなら大丈夫でしょ」と思われる。
過剰な期待や仕事が来る。
断れない。または断ることで罪悪感がくる。
無理して動く。そして崩れる。
この繰り返しの中で、「自分がダメだから崩れるんだ」と覚えてしまう。
違う。
崩れるのは当然の負荷がかかってたから。
自分を責めるエネルギーがあるなら、少しだけ仕組みを整える方向に使えたら、変わると思う。
HSS型HSPのしんどいとの向き合い方
しんどさをゼロにするのは、難しい。
でも、マシにすることはできる。
「治す」じゃなくて「付き合い方を変える」感じ。
環境の整え方は?

まず、刺激の量を管理すること。
これが一番即効性がある。
会議が多い日は、前後に静かな時間を入れる。
騒がしい場所が続くなら、途中でイヤホンを使う。
予定を詰め込みすぎない。特に「楽しい予定」ほど疲れるから、翌日に余白を作る。
あとは「回復日」の確保。
人と会った翌日は、できるだけ予定を入れない。
これを「怠けてる」と思わなくていい。
処理能力の高い脳を、ちゃんと冷却してる時間だから。
疲れのサインに気づける?

崩れる前に気づけると、だいぶ変わる。
でも自分のサインって、意外とわかってないことが多い。
私の場合はこんな感じだった。
・返信が面倒になる
・些細なことでイライラする
・好きな音楽すら聴きたくない
これが出てきたら、もう黄色信号だった。
サインを3つくらい決めておいて、それが出たら「今日は早めに撤退」と決める。
「まだ大丈夫」と思いすぎない。
HSS型HSPは、やる気があると自分の限界を見誤りやすい。笑
だから意識的に「もう少し前」で止まる練習をするといい。
日記で何が変わる?

日記、続いたことない人も多いと思う。
私もそうだった。
でも、「記録」じゃなくて「吐き出し」として使うようにしたら変わった。
今日しんどかったこと、ぐちゃぐちゃのまま書く。
きれいにまとめなくていい。
書くことで、「なんとなく不安」が「これが原因だったのか」に変わる。
HSP研究の第一人者のアーロン博士も、日記による感情整理を推奨している。
思考が外に出ると、少し客観的になれる。
「また同じパターンだ」と気づけるようになると、次に活かせる。
完璧に書こうとしなくていい。3行でもいい。
専門家に頼っていい?

頼っていい。というか、頼ってほしい。
日常的な工夫だけで対処できることには限界がある。
特に、不安や落ち込みが長く続くとき。
眠れない夜が続くとき。
仕事や人間関係が明らかにうまくいかなくなってきたとき。
そういうときは、心療内科やカウンセリングに相談していい。
認知行動療法(CBT)は、HSS型HSPの「ネガティブ思考のくせ」を整理するのに合ってると言われてる。
「自分は弱いから疲れる」という信じ込みを、少しずつ解きほぐしていく作業。
HSP気質に理解のあるカウンセラーに話すだけで、「やっぱり私がおかしいわけじゃなかった」と思えることがある。
それだけでも、だいぶ変わる。
しんどいままでいなくていい?

いなくていい。
ずっとこのままが当たり前だと思ってた時期、私にもあった。
でも仕組みを知って、少しずつ自分の扱い方を変えていったら、しんどさの波が小さくなってきた。
消えたわけじゃない。
でも、前みたいに「なんで自分だけ」って責める時間は減った。
HSS型HSPであることは、変えられない。
でも、その特性とどう付き合うかは、変えていける。
しんどいとき、まず「仕組みの話だ」と思い出してほしい。
あなたが弱いんじゃない。
アクセルとブレーキを同時に踏みながら、ここまでやってきたんだから。
そんなふうに思えたこと、あるかな?

